いつも読んでいただきありがとうございます。
オリンピック閉会式も終わり、今日は台風が西日本を通過し天候は大荒れでした。まだまだ天候が荒れる地域もあるようですので、大きな被害がないことを祈るばかりです。皆さんも愛犬も注意してくださいね。
そんな中、昨日インターネットのニュースを見ていると、久しぶりにペットの飼育放棄についての記事を目にしました。コロナ禍でテレワークが増えたことによりペットを飼う人が増え、安易な気持ちで飼った人は、『しつけが大変』や『思った以上にお金がかかる』などの理由でペットを手放すなど、昨年から色々なニュースで取り上げられてましたが、ここ最近、ペットショップでの生体の価格高騰も落ち着き、少しは減ってきているのかなと思ってたのですが、現実、今も続いているようです。
ペットを飼っている大半の方は、家族としてしっかり愛情を注いでいると思います。一方で、少なからず飼育放棄する方が一定数いることも事実であり、ペットを飼うことを検討している方、飼い始めたばかりの方へのメッセージとして、以前にも同様のブログをアップしてはおりますが、改めて考えてもらいたいと言う気持ちでアップします。
◆コロナ禍でのペットブーム
参考までに、コロナ禍でのペットブームで飼われたペット数増加は以下の通りです。
<2020年新たに飼育されたペット数>
犬:約46万2千匹(前年比14%増)
猫:約48万3千匹(前年比16%増加)
2019年度と比較しても約15%ほど増加しており、コロナ禍による増加と言って良いでしょう。
一方で、保護団体が里親探しを行うサイトでは、犬猫合わせての掲載数が400匹~500匹程度だったが、コロナ禍に入ってからは800~900匹とおよそ倍の数字になっており、手放す人も増えたことが伺えます。
◆ペットを飼う方のモラル
ペットを飼うことは「動物の命を預かる」と言うことで、命の重さはどれも同じです。
一度飼うと、少なからず十数年は飼育が必要となることを理解した上で、しっかり考えて迎え入れてください。
<飼い主が守る5か条>
・動物の習性等を正しく理解し、責任を持って飼うこと
・人に危害を加えたり、近隣に迷惑を掛けることのないようにすること
・むやみに繁殖させないようにすること
・動物による感染症の知識をもつこと
・盗難や迷子を防ぐため、所有者を明らかにすること
(引用元:環境省HP)
どれも当たり前のことが、環境省のHPでも記載されています。飼い主に課せられた義務であり責任ですので、出来なかった・知らなかったでは済まされないことと認識するようにしてください。
<ペットの5つの自由>
ペットを飼った時、以下の5つの自由を飼い主は与えなければなりません。そして、ペットがその命を終えるまで適切に飼養することを終生飼養と言い、これも飼い主の責務です。
①飢え・渇きからの自由
②痛み・負傷・病気からの自由
③不快からの自由
④恐怖・抑圧からの自由
⑤本来の行動が取れる自由
(環境省HP)https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2708a/pdf/02.pdf
これも当たり前のことですよね。
ペットを飼うと餌・水を不自由なく与えなければなりません。またケガや病気で治療が必要な場合は動物病院へ連れていく必要がありますし、ペットが生活する空間は衛生的に保つ必要があります。ペットが言うこと聞かないからと言って、抑圧や恐怖をあたえることはしつけではありませんし、動物本来の行動ができるようにすることも飼い主の責任です。
私見となりますが、ここまでの飼い主が守る5か条・ペットの5つの自由を読んで、『ペット優先ばかり』と感じた方は、ペットを迎え入れることを考え直したほうがいい方かと思います。
◆海外のペット事情
日本でも動物愛護管理法がありますが、罰則はあるものの努力義務となっていることから、報道であるような安易に飼育放棄する事象が起こっていると考えます。当然、どうしてもやむを得ない事情がある方もいらっしゃることは理解しておりますが、その場合には愛犬の今後の幸せを維持する適正な方法があるはずです。
日本も昔と比べ、ペットに対する扱いはかなり改善されてきましたが、海外はどうなっているのかを紹介します。
(ペットの考え方)
日本では犬やペットは我が子と言う位置付けが強いようですが、アメリカで犬は「パートナー」です。よく映画で一緒にフリスビーをしたり泳いだり、一緒のベッドで寝たりと、お世話をすると言うよりかは良き友と言った感じではないでしょうか。
(ペットショップでの販売禁止)
アメリカの一部の州や市では、営利目的での子犬・子猫の販売が禁止されているところもあります。イギリスでは生後6ヵ月未満の生体販売が禁止され、生後6ヵ月未満のペットを飼いたい場合には、認定ブリーダーや動物保護施設から入手するしかないようです。アメリカもイギリスも、悪徳ブリーダーによるパピーミルを廃止する目的もあるようです。
ペット先進国のドイツでも生体販売を禁止する法律はなく、ペットショップの存在は違法ではないようです。子犬・子猫の生体を販売するペットショップも近年あるようですが、社会的な風当りが強く、ペットショップに生体販売すると犬種協会から除名すると言った、所属ブリーダーに対した警告も強いようです。
(ペット先進国・ドイツの犬事情について)
①ペット税について
犬税だけとなっているようですが、犬を飼うことによって各都市の自治体によって内容は異なりますが、税が課せられます。1頭目で約120ユーロ、2頭目からは180ユーロとなり、3頭飼うと年間で480ユーロの納税義務となります。※盲導犬は除く
納税することによって犬札を受け取ることができ、首輪に装着することも定められているようです。世界的に見ても高額な納税額となっていますが、納税していない愛犬は首輪を見ると一目瞭然なので、ペット先進国のドイツでは近隣住民からの指摘もあると思いますので、しっかり納税されることと、この高額が納税が安易に犬を飼わないことの抑制になっているのでしょうね。
②飼育方法について
ドイツでは飼育方法も明確にされているようです。
・犬の大きさや犬種により、サークルやケージのサイズなどが詳細に定められている。
・犬を一人にして長時間留守番させてはいけない。
・外気温が21℃を超える場合、車内で犬を置き去りにしてはいけない。
・1日最低2回、合計3時間以上、屋外やドッグランへ連れていかないといけない。
これらを違反していると、住民からの通報が入り獣医局やアニマルポリスからの指導を受けることになるようです。違反が続くと罰則を科せられ、正しい飼育が出来ないと判断された場合には、強制的に犬を没収され保護施設に連れて行かれます。
個人的な見解ですが、飼育方法については冒頭で記載している『ペットの5つの自由』をベースに作られていると感じました。
③犬が生活する環境の違い
犬を飼っている方は聞いたことあるかもしれませんが、ドイツには『ティアハイム』と言う動物保護施設があります。※TVなどでも取り上げられたりして有名ですよね。
理由があって飼えなくなったペットはティアハイムのような施設で保護され、清潔で運動もたっぷりできる環境が整っていて安心です。ペットショップでの生体の販売が厳しいドイツでは、このティアハムなどでの保護施設が新しい飼い主と出会う場のスタンダードとなっており、譲渡率が9割を超えるというから驚きです。しかも譲渡基準も決して甘くなく厳しくチェックされているようです。殺処分ゼロな理由が分かるような気がしますね。
またドイツでは、犬と同伴で大半のところに行くことが出来るようです。電車も盲導犬以外でも問題なく可能で、レストランやカフェも同伴可能となっていて、食品を扱うスーパーマーケットやドラッグストアなどは入れないようです。その理由としてはしつけ文化の違いもありようです。
ドイツでも犬はパートナーの存在。気持ちよく共存するために「しつけ」の意識が高いそうです。そのため、ドイツでは至る所にドッグスクールがあり、1回あたりのコース料金は1時間で5ユーロ(¥600程度)と安価であり、ドッグスクールに行くことが日本と違って当たり前のような環境が整っていると感じました。日本では考えられない料金ですよね・・・。
昔、ドイツでは狩りを行うために猟犬を飼っていた文化もあって、今の時代でも犬が社会の一員として存在している部分もあり、日本と比べることは難しいですが、まだまだ日本でも出来ることはあると感じてしまいました。
◆ペット飼育の免許制の導入について
たまにニュースや動物保護団体の方からの意見で見かける、ペット飼育の免許制について議論があるようです。
日本ではまだまだ難しいと言っても、やはりこれだけ飼育放棄やパピーミルのような実態がある以上、内容の議論は必要なものの、個人的にはあってもいいように思います。
・飼うまでの最低限の知識
・飼い主の飼育環境基準
・外部団体による公平性の評価
・免許の更新適正診断
今の日本では、動物愛護管理法はありますがやはり努力義務、販売業者へはここ最近、法改正により厳しくなりましたが、飼育放棄と保護施設とのバランスを考慮すると、飼い主側へ厳しい罰則やルールを適用することで、環境も変わってくるのではないかと感じました。
今の日本の法律は一度決めたら当面変えないような風潮がありますが、確かに法律はコロコロ変えるようなものではありませんが、時代の変化に合わせ、適宜ブラッシュアップし、作り上げていくことも必要ではないかと思います。
新規でペットを迎え入れる方に改めて知ってもらいたいため、長くなってしまいましたが、しっかり考えて決断してもらえればと思います。
ペットは家族でありパートナーです。また人の生活を豊かにしてくれる存在でもあります。コロナ禍でペットを迎え入れ、大切な存在になった方も多いでしょう。
どの愛犬・愛猫でも、我々と同じように幸せになる権利を持っています。飼い主の身勝手で悲劇が起こらないよう、しっかり考えて行動することが大切です。
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